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*****令和元年11月5日(火)第133号*****

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骨折予防のためのビタミンD、「高齢者は積極的に外出を」
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 一般的にビタミンDが不足すると、骨折等のリスクが増加するが「人は高齢になると、紫外線を浴びることで生成されるビタミンDの量が落ちるので、積極的に外出するか、サプリメント等のビタミンD強化食品を取らないと、様々なリスクが増す」等と注意を促した。

 大塚製薬が11月1日に都内で開催した「ビタミンDの基準値改訂に関するプレスセミナー」で講師を務めた、神戸学院大学栄養学部の田中清教授=写真=が指摘した。まず田中教授は、ビタミンDの摂取に関する基本事項について、次の内容を説明した。

田中教授 ▽日本では、昔はビタミンの欠乏により足の関節が曲がる等の病が発症していたが、近年は「ほぼ克服された」として、健康維持におけるビタミンの意義が軽視されがちだ。

 ▽しかし、日本骨代謝学会や日本内分泌学会が定めた、ビタミンDの不足・欠乏の判定指針を用いると、日本人で男性の約7割、女性の約9割が「不足・欠乏」に当てはまる。

 ▼つまり、現在の日本人は「男女を問わず、ほぼ全員がビタミンDの欠乏・不足の状態」と言える。

 ▽この状況を受け、国ではビタミンD摂取の目安量を策定する際に「骨折予防に必要な量」を根拠に用いるようになり、それに基づきこのほど2020年版の「目安量」を算出した。

 ▽これによると「骨折予防のために一日で15μg(マイクログラム)は必要」と定められた。

 ▽そもそもビタミンDの供給源は、「紫外線を浴びることで皮膚により生成する」と「脂ののった魚等、食品から摂取する」の二つのルートがある。

 ▽これに「目安量」の一日15μgを当てはめると、「紫外線」で一日5μgは生成可能なので、「食品摂取」で一日10μgを取れば良いことになる。

 ▽しかしこれはかなり厳しい基準なので、国は実現可能性も考慮した結果「一日当たりの成人の目安量として8・5μg」とした。

 ▼ただし海外の研究では、8歳から92歳までの白人を調べたところ、高齢になるほどビタミンDの生成量が落ちることが報告されている。

 この論文を講演の資料として引用した、ジャーナリストの西沢邦浩氏は「論文の執筆者は、高齢者は積極的に外出して紫外線を浴びるように推奨している。しかし足腰の問題があり、サプリ等でビタミンD強化食品を取る必要があると言いたかったようだ」と補足した。

 さらに田中教授は「実は日本では、高齢者のデータがあまりない。まだ国内の研究は始まったばかりだ。ただ、海外の研究結果をみると、若い人と高齢者が同じようにビタミンDを摂取すると、高齢者は吸収率が悪いと推測される」

 「それでは『高齢者は、若い人よりも多めの目安量を決める』ことが必要になるが、残念ながらまだ、国内の研究がそこまで進んでいない。『高齢者の基準』は、早く決めないといけない」等と、今後の課題も指摘した。

◇─[後記]───────────

 言うまでもなく、日常的に散歩をすることは立派な「歩行訓練」であり「全身運動」でもあります。しかし、お恥ずかしながらこのセミナーを取材して、散歩により紫外線を浴び、ビタミンDが生成されることを弊紙発行人は初めて知りました。

 ただ、田中教授が指摘しているように「それでは高齢者は、一日当たり何分散歩すれば良いのか?」は、まだわかっていないのが実情のようです。高齢者のビタミン摂取の特性も含め、この点は追って取材していきたいと思います。

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