*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年9月25日(水)第109号*****

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「介護事業の売却希望トップはデイサービス」
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 介護業界でM&A(企業の合併買収)の仲介サービスを行っているブティックス株式会社はこのほど、約4年間の実績を元にした調査結果を公開した。これによると「売却希望業態のトップはデイサービス」「売却理由のトップは人材の採用難」──等と発表した。

 結果について同社では「介護保険は国の財政で成り立っているため、非効率な事業所の運営を中長期的に継続することは困難だが、ドミナント展開や他事業とのシナジー効果で収益の改善を図ることは十分可能」

 「また、業態・エリアに関わらず言えるのは、買い手の次の戦略にマッチした業態・エリアであれば、人気ランキングの低い業態であってもマッチングが可能」等と指摘している。同調査の対象は、売却問合せ企業1173社・買収希望企業4622社。

 調査期間は2015年4月から2019年8月まで。結果の概要は次の通り。なおデータ(グラフを含む)は全て、同社が運営するM&A仲介サービス「介護M&A支援センター」の発表によるもの。詳細な問い合わせについても、同社まで。

 ■業態別売却希望事業(カッコ内は全体の中の割合。▼は同社のコメント)
 第1位(33・7%)デイサービス
 第2位(10・5%)住宅型有料老人ホーム
 第3位(8・0%)訪問介護
 第4位(7・5%)グループホーム
 第5位(6・4%)訪問看護
 第6位(5・5%)サービス付き高齢者向け住宅

介護事業売却ランキング ▼売却希望企業の業態で一番多かったのは「デイサービス」。以前は、介護業界の中では比較的収益性の高い業態だったが、2015年の報酬改定に引き続き、2018年の報酬改定でも大幅な減額改定となった。

 ▼小規模デイサービスを単独で運営している事業所を中心に、収益性の悪化が進んだ。中でも、「機能訓練型デイサービス」や「お泊まりデイサービス」の業態については、売却の問合せが多い傾向にある。

 ■売却理由
 第1位(28・3%)採用難
 第2位(18・1%)事業の選択と集中
 第3位(17・9%)介護制度の将来不安
 第4位(14・6%)赤字・低収入
 第5位(11・2%)リタイア
 第6位(0・4%)労務トラブル

 ▼全業態を通して、一番多かったのが「採用難」。エリアや職種によっては有効求人倍率が5倍を超えることもあり、多くの事業所で採用難に頭を抱えているようだ。オープニング時のスタッフを集めることができず、施設を稼動できない事業所の相談も増加している。

 ▼二番目の「事業の選択と集中」は、最近急増している売却理由。もともと介護事業以外を本業としていた会社が多角化で介護事業に進出したものの、「本業回帰」のために介護事業の売却を検討するケースが多い。

 ▼また、大手中堅の介護事業者の中には、非中核事業を売却して、得意な中核事業に集中するケースも増加している。例えば、非中核エリアの関東圏のグループホームを売却して、本社のある関西圏のグループホームを買収する「エリアの選択と集中」等。

 ■業態別買収希望事業(複数回答)
 第1位(28・3%)住宅型有料老人ホーム
 第2位(27・1%)グループホーム
 第3位(26・2%)サービス付き高齢者向け住宅
 第4位(25・9%)通常・大規模デイサービス
 第5位(25・7%)介護付き有料老人ホーム
 第6位(18・8%)地域密着型デイサービス

 ▼1位は「住宅型有料老人ホーム」。売却の問合せも多い一方で、収益を上げる仕組化に成功している事業者にとって、苦戦している施設を安価で買収することで、新たに施設を立ち上げるよりも、早期に成長を加速することができるためと考えられる。

 ▼2位は「グループホーム」。総量規制のあるグループホームは手堅い事業として捉えられており、特に2ユニット以上の規模の売却情報が出た場合には、人気が殺到する傾向にある。

 ▼業態別買収希望事業の上位に施設系が多いのは、訪問系のサービスに比較して、人的要素(採用・教育等)の影響を受けるリスクが小さいため、経営が安定しやすいことが考えられる。

◇─[後記]───────────

 同社は、介護事業の展示会「CareTEX」を開催していることでも知られています。その実績から考えれば、同社が公開したデータは特定の業種にかたよったものではなく、介護業界の「今」をあらわしたもの、と言えそうです。

 今回のデータで、弊紙が最も注目したのは、売却理由の第1位(28・3%)「採用難」です。他の業界であれば、第4位(14・6%)「赤字・低収入」がトップであってもおかしくありません。

 現在、どんなに「優良」な介護事業者であっても、何かのきっかけで人材が流出し、これを補うことができなければ、経営者は事業の売却を考えなければならない──それだけ介護業界では「人材確保」が重要であることを、このデータは改めて示していると思います。

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