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*****令和元年6月17日(月)第40号*****

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「毎日1回以上安否確認」で業界団体「ガイドライン」作成
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 有料老人ホームの業界団体が傘下の会員事業者に対し「入居者の毎日1回以上の安否確認」の徹底を求めた。また、その際の手法や注意点などをまとめた「ガイドライン」=図=も作成した。公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協)が、6月4日に公表した。

図 今回の件は今年5月に、兵庫県明石市の介護付き有料老人ホーム「パーマリィ・イン明石」の個室で暮らしていた男性(91)が孤独死した後、十数日して見つかった事件を受けたもの。同ホームを経営する事業者は、有老協の会員だった。

 この件で厚労省は5月31日、各都道府県等に「有料老人ホームにおける安否確認又は状況把握の実施に対する指導等の徹底について」と題した通知を発出した。また、地元の明石市も6月3日、「原因解明に向けた緊急検証チームを設置した」と発表した。

 厚労省は通知で「入居者が居住部分への訪問による安否確認等を希望しない場合であっても、電話、居住部分内での入居者の動体を把握できる装置による確認、食事サービスの提供時における確認等により、毎日1回以上、安否確認等を実施することが必要」と指摘した。

 有老協の「ガイドライン」も、これに沿ったもの。そもそも今回の事案は、介護認定を受けていない(=自立)入居者が、自らの生活の自由を求めて施設による安否確認を希望しない場合にどう対処するか、が大きなポイントになっている。

 この点について「ガイドライン」では、「まずは入居契約で、安否確認や状況の把握を行う旨に同意していただく必要がある。入居後、万が一ホームが実施するサービスを拒否されるため入居契約を維持することが困難な場合は、所管する自治体にご相談ください」

 「仮に、生命に重大な危険があるとホームが判断し、マスターキーを使って居室を開錠する安否確認については、結果的に入居者が無事であったとしても、緊急性が高く社会的相当性の範囲であると認められれば、損害賠償の対象となることはない」と指摘している。

◇─[後記]───────────

 この件で厚労省は「高齢者が安心して住める住まいとして、有料老人ホームにおいて入居者の心身の健康を保持し、その生活の安定を図る観点から入居者への安否確認等は当然行われるべきものであり、このような事案が発生したことは誠に遺憾である」としています。

 このところ刑事事件も含めて、老人ホームが一般マスコミで報じられる機会が続いています。その原因や課題の解決方法は、個々の事例によって異なるでしょうが「高齢者が安心して住める住まい」でなければならない点は、最終的に同じです。

 また今回の件は、有老協の会員に限らず全ての介護施設事業者にも共通した課題です。本紙「エンドユーザー版」第68号(6月2日付け)にも書きましたが、全ての介護施設事業者には、この「ガイドライン」に沿って「最善の策」を打ち続けてもらいたいと思います。

 今後とも弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

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