*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年6月10日(月)第35号*****

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「医師の偏在」が医師不足の要因か?
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 医師専用のコミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」はこのほど、会員医師を対象に「医師の数は不足していると思うか」についてのアンケートを実施した。3千人から回答を得て44・7%が「不足している」(下記「2」「3」の合計)と答えた。

 アンケートは、今年5月17日に行った。回答は、数の多い順に次の通りとなった。

 1、どちらともいえない=33・7%
 2、どちらかといえば不足している=28・1%
 3、不足している=16・6%
 4、どちらかといえば足りている=13・8%
 5、足りている=7・8%

 「足りている」(「4」「5」の合計)は21・6%、「どちらともいえない」は33・7%だった。特長的なのは全ての回答項目で、その要因に「地域格差」「偏在化」「部門格差」を挙げていること。各項目における代表的な意見は、次の通り。

 【1、どちらともいえない】

 ▽地方では医師の絶対数が不足しているのかもしれない。しかし自分が開業している付近では病院等はたくさんあり、医師に不足はしていない。(50代・開業医=皮膚科)

 ▽周りを見回してみて、足りないという印象はない。さらに患者受診数が減ればますます不足感はなくなると思う。(60代・勤務医=一般内科)

 ▽病院の数が多すぎるのと、フリーアクセスで専門医への受診も患者が自由に選べることで医師の負担が増えている。医師の数自体は集約すれば足りるのではないか。(30代・勤務医=家庭医療)

 【2、どちらかといえば不足している】

 ▽地方でも都心でも、救急や総合病院では常に人手不足。このまま進行すると、医師が自分の好きな科を選べず、強制的に配置される時代がくるのでは…と思う。(30代・勤務医=精神科)

 ▽救急とか産婦人科とか、大変な部署は不足していると思う。あと、へき地も。医師の数は増えても、自分は楽をしようという考えの若い先生が多いので、今後も地域格差、部門格差は改善されないと思う。(50代・勤務医=一般内科)

 ▽地方勤務医だが、東京で勤務していた時に比べて、勤務医の偏在化を顕著に感じる。また、マイナー科(血液内科、膠原病内科など)は明らかに足りておらず、どの科に注目するのかで話が変わるかと思われる。(40代・勤務医=腎臓内科・透析)

 【3、不足している】

 ▽都会の病院でさえ、今も医師を集め続けている。地方も、郡部はいわずもがなだが、都市部でさえ、昼間の医師数はなんとか足りているとしても、夜間・休日の医師数は全く足りない。(60代・勤務医=消化器外科)

 ▽医師の労働時間を減らすためには、色々な案が出されているが、主治医制を撤廃する事だと思う。チーム医療にして、誰が抜けてもチームの他の医師で補い合える状態を目指すには、やはり医師数が足りない。(60代・勤務医=消化器外科)
 
 ▽自由に科を選択でき、自由に開業できることは素晴らしいが、医師の偏在による医師不足はその影の部分だと思う。(30代・勤務医=一般外科)

 【4、どちらかといえば足りている】

 ▽地方都市の急性期病院レベルでは患者数が減り始め、医師がそこまで不足している実感はない。急性期病院の医師数の問題は、病院を集約すれば概ね解決するような気がする。(40代・勤務医=精神科)

 ▽医師数としてのみ考えれば、当然足りて余るぐらいだろう。しかし、現実は偏った診療科に大都市集中により、当院も慢性的な医師不足が10年以上も続き、もうじき私自身も定年を迎える。(50代・開業医=一般外科)

 ▽絶対数は足りていると思う。偏在(地域・診療科)の問題と、常勤ではなくバイト・育休産休からそのまま復帰しない医師などが問題かと思う。(30代・勤務医=一般内科)

 【5、足りている】

 ▽既に人口比で医師数は足りている。足りない様に思えるのは診療科と地域の偏在のため。不要なのに医学部を今更増やすなどで、近い将来医師は大々的に余ってくるだろう(60代・勤務医=脳神経外科)

 ▽以前、不足している病院にいてものすごく大変だったが、隣の病院には医師があふれていた。偏在しているだけ。地域というより、病院ごとに違う。楽な病院ほど人気があり、医師が余っている。(50代・開業医=一般内科)

 ▽私たちが医師になるときには「医師過剰時代」「医者では食っていけなくてタクシー運転手になる」などと脅され、以降も毎年8000人以上が医師になっているのに、なぜ未だに不足なのか理解できない。(50代・勤務医=健診・予防医学)

 今回の調査では、サイト内に設けたコーナーで次のように質問した。

 ▼医師不足や地域偏在に関連する報道をよく見ます。地域で見れば開業医が多く、総合病院の医師が少ないだけで、医師の数はそこそこという都市もあると思います。

 ▼そのせいか日本の医師数は他のOECD(経済協力開発機構)加盟国と比べると少ないが、病院数は1番多いです。医師の数は不足しているのか、それとも不足しておらず医師配置など他に問題があるのか、皆さまはどう思いますか。

 同コミュニティサイト(https://medpeer.jp)は、メドピア株式会社が運営。現在12万人以上の医師(日本の医師の3人に1人)が参加している。

◇─[後記]───────────

 弊紙「ビジネス版」第27号(5月29日付=「医療過疎」が進む今こそ「早期対策を」)を取材した時に、武久会長が「医師になって40歳までに最低2年間は、へき地勤務を義務付けるべきではないか」と提言していたことを思い出します。

 この「医師不足」の問題は、介護業界にも様々な影響を与えると考えられます。今後、国や自治体がどのような対策を講じていくのか、この点も弊紙は追っていきたいと思います。

 今後とも弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

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