*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年6月8日(土)第34号*****

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豊島区・混合介護、利用率「4・6%」
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 東京都豊島区が、2年前の平成29年6月から取り組んでいる「混合介護」で、翌年の平成30年7月頃より本格的に実施した「平成30年モデル」の、今年3月末時点での利用率は「4・6%」だった。

 この結果について豊島区は「まだ実施期間が短く、定量的な効果測定を行うほどの十分なデータは得られていない状況だが利用者は少しずつ増加しており、またサービスの未利用者へのアンケート調査等から推計すると、ポテンシャルは2割強と推計される」と発表した。

 6月4日に、豊島区役所庁舎で開催した「混合介護」に関する第8回目の会合=写真は平成29年6月に開催された第1回会合=で公表した。なお豊島区では「混合介護」について、保険サービスと保険外サービスを組み合わせて利用者本人が選べるという点から「選択的介護」という名称を用いている。

第1回会合 この「平成30年モデル」には区内の9事業者が参加し、参加事業者の介護保険サービスの総契約者数は417人。そのうち今年3月末時点で「選択的介護」を提供している事業者は8者で、その契約者数(延べ件数)は19人(全体の4・6%)だった。

 この点について豊島区は「昨年11月末時点が延べ11人で、今年4月末時点では延べ21人となっており、利用者は拡大傾向にある。また参加事業者からは『利用者本人の状態が落ち着いている』『家族が安心できる』等のポジティブな意見が出ている」等と指摘している。

 また豊島区は今回、要介護認定を受けている区民2800人を無作為に抽出し、アンケート調査を行った。回収率は38%。この結果、次の5点を指摘した。

 1、「選択的介護を知っている」と回答した604名のうち、161名(全体の15%)が「選択的介護を利用してみたい」と回答した。

 2、これは、現在利用したくても利用できない(利用している事業者が選択的介護を提供していない、ケアマネジャーが積極的に提案しない、金銭的負担など)何らかの要因(ボトルネック)があると想定され、それが解消されれば利用が見込める可能性がある。

 3、また「選択的介護を知らない」と回答した419名のうち、「選択的介護サービスを利用してみたい」と回答した人は77人(全体の7%)である。これは、認知度を高めることによって利用する可能性のある潜在利用者であるといえる。

 4、暮らしを支える上で、あったらいいなと思うサービスとしては「外出支援・付き添い」(6%)が最も多く、「家事」(5%)、「見守り」(4%)、「食事関連の支援」(4%)が続いており、選択的介護によってカバーできるサービス内容が多い。

 5、以上より何らかのボトルネックを解消することで、利用が見込める人は全体の15%、認知度を高めることによって利用が見込める人は全体の7%程度存在している。従って未利用者のうち、今後利用が見込まれるポテンシャルは2割強(22%)と推計される。

 これらの結果を踏まえ豊島区では「平成30年モデル」の参加事業者を追加公募するとともに、「新たなモデル」の実施を検討している。6月4日の会合では「デイサービスを中核(拠点)として、要介護高齢者をトータルにサポートできるサービス」を挙げている。

 なお、現時点で豊島区が実施している「選択的介護」は、全て現行の介護保険制度内で実施が可能な「混合介護」であり、最終的には東京都等とともに「国家戦略特区」に申請して指定を受け、現行の介護保険法では実施できない「混合介護」の実現を目指している。

◇─[後記]───────────

 この豊島区による「混合介護」の実施は、衆議院議員時代に豊島区を地盤としていた小池都知事の肝いりで始まりました。当時一般マスコミもこの動きを大きく報じ、2年前の6月に開催された第1回会合では、マスコミが大挙して取材に押しかけました。

 しかしその後、政党の合併を巡る協議での「排除します」発言に端を発し、小池都知事の人気が急落したことを受けて、一般マスコミも「混合介護」を報じなくなり、その年末に開催された第4回会合では、取材に訪れたマスコミは弊紙1社だけでした。

 残念ながら「混合介護」に対する世間一般の関心は薄いようですが、その「きっかけ」はどうであれ、利用者もまだ少数であっても、豊島区の取り組みは名称の通り「利用者が主体となって選択するサービス」であることに間違いはありません。

 その「サービス」を必要とする人々のためにも、今後も内容を充実させ、最終的に「国家戦略特区」の指定を実現し、「新たな介護サービス」像を提示してもらいたい、と弊紙では願っております。

 今後とも弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

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