*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年5月28日(火)第26号*****

◆◇◆◆◆─────────────
世田谷に「自立リハ重視」の住宅型有老
─────────────◆◇◇◆◆

 都内屈指の「老人ホーム激戦区」である東京・世田谷で、主に自立者の入居を想定し、敢えてリハビリ体制を充実させた住宅型有料老人ホームが6月1日にオープンする。これまでの富裕層を対象にした施設とは違った「切り口」で、「激戦区」に挑もうとしている。

 サンケイビルウェルケア(東京都千代田区、佐々木ゆかり社長)は6月1日に、ウェルケアヒルズ馬事公苑(東京都世田谷区上用賀4-1-8、以下「馬事公苑」)を開設するが、これに先立ちマスコミ向けに5月28日、現地で説明内覧会を開催した。

 同社にとって8番目の有料老人ホームとなり、他の7つは全て「介護付き」(一部に開設時は「住宅型」で後に「介護付き」へ変更した施設もあり)だが、今回は初の本格的な「住宅型」となる。

 世田谷区は現在、自立者を施設に受け入れる場合は「介護付き」の新規開設を認めていない。このため「馬事公苑」は開設時から自立者を受け入れ、同社では「今後も『介護付き』に変更する予定はない」ため、同社のこれまでの事業展開とは違った「切り口」となる。

 特長的なのが「リハビリテーションの充実」で、最新の機器を取りそろえたリハ室=写真=で、理学療法士が常駐する。これも同社では「初」となる。これまで同社では、国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授が提唱する「自立支援介護」の実践を経営理念に掲げてきた。
リハ室
 「自立支援介護」では、水分・運動・食事・排泄を「4つの基本」として掲げ、各分野で目標を定めている。例えば「水分」では、1日に1・5リットルの水分摂取を、様々な手法を用いて工夫しながら実践する。

 これは「馬事公苑」でも同様に行われる。比較的重い介護度の入居者も想定される「介護付き」では、その効果測定も要介護度の低減等により明確になるが、自立者が多いと予想される「住宅型」では、健康寿命の延伸等の効果が期待される。

 ここ数年「住宅型」では、日常生活の満足度を高めるためにレクリエーションやアクティビティーで豊富なメニューを取りそろえたり、自然環境が豊かな景勝地に施設を建設するようなケースが多い中、「馬事公苑」では敢えて自立者にも「リハの充実」を、施設のPRポイントに掲げている。

 他の業界大手が「ドミナント戦略の最重要地点」と定める等、多くの老人ホームが競う「激戦区」の世田谷で、同社の「新たな切り口」がアクティブ富裕層にどのように受け入れられるのか、また同業他社の戦略にどのような影響を与えるのか、注目される。

◇─[後記]───────────

 今から3年半ほど前、初めて同社の「事例発表会」を取材した際に、要介護度5の入居者が「自立支援介護」の実践で徐々に要介護度を下げ、最終的に「自立」となって施設を「卒業」して自宅に戻った実例を聞き、大変驚きました。

 その時以来、同社の「介護付き」は比較的介護度の重い方を想定しているものと発行人は受け止めてきましたので、今回の「住宅型」の開設は「意外」でした。同社にとっても「新たな挑戦」となるでしょう。

 今後、介護業界がより発展していくために、「激戦区」に「新たな競争」が生まれることを期待します。

 今後とも弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆公式ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆ビジネス電子版=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo/blog

(C)2019 日本介護新聞