*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年5月17日(金)第19号*****

◆◇◆◆◆─────────────
ミサワホーム「独自の街づくり」継続へ
─────────────◆◇◇◆◆

 ミサワホーム(東京・西新宿、磯貝匡志社長)は千葉県浦安市で、病院の移転に伴う新たな「街づくり」(=アスマチ浦安)で、同じエリアに病院・シニア向けマンションに加え、複合商業施設の中に地域包括ケアセンターを入居させる等「独自の街づくり」に取り組んでいる。

 一方で同社は現在、トヨタ自動車グループの傘下にあるが、そのトヨタと家電大手のパナソニックが5月9日、両グループの住宅部門を統合して新たな合弁会社「プライム ライフ テクノロジーズ」をつくり、ミサワホームもその子会社となることが発表された。

 本紙は、5月13日に東京・丸の内で開催された同社の決算説明会で、磯貝社長=写真=に「合弁会社の傘下に入っても『独自の街づくり』は継続するのか?」と尋ねた。磯貝社長は「新たな枠組みになっても評価されると思う」等と述べ、継続していく方向性を示唆した。

 本紙と磯貝社長の質疑応答の内容は、次の通り。
ミサワ磯貝社長
 ◇本紙=御社の「街づくり事業」で「アスマチ浦安」で取り組んだような、アクティブシニアを軸にしたような街づくりは、合弁会社ができてその傘下に入った後に、どのように展開されるのか?

 ◆磯貝=「アスマチ浦安」では、その背景に当社と地域の医療体制や医師会などとの長年の関係があった。これは当社独自のソリューションであり、どこでもできるというわけではないと考えている。

 ◆まず地域とのつながりがあり、その結果「医療関係者の開業のお手伝いができた」という地域であったからこそ可能となった。「アスマチ浦安」は、地域包括ケアセンターがあることも大きな特長だが、隣接するシニアマンションには「病院との提携」もある。

 ◆これは街づくりの「新しいモデル」になっている。実は全国各地からご要望を頂いている。特に「病院を移転したい」というお話はかなり多い。当社のこのような「介護離職ゼロ」あるいは「子育て離職ゼロ」を目指した福祉型の街づくりは、おそらく新たな合弁会社の中でも評価を頂けると思うし、これはミサワ独自のソリューションとして伸ばしていきたい、

 ◆一方で、新たな合弁会社が主に狙っている「街づくり」は、テクノロジーの変化に伴うものだと考えている。先般、5月8日に開催されたトヨタ自動車の決算発表で豊田社長は、次のように、発言している。

 ◆「コネクテッドカー(インターネットに接続している自動車)、自動運転、カーシェアリングの時代になると、車・人・その先の住宅を含めて、あらゆる情報がITを通じてつながっていく」

 ◆「そういう時代において、より快適で便利な、安全な車社会を目指そうとすると、それは車だけにとどまらず、車も人もモノも住宅もつながってくる。つまりそれは『街』だ。その先は社会だ。トヨタはその街づくり、社会づくりのプラットフォーマーになります」

 ◆パナソニックも、その翌日の記者会見では同様の趣旨を発言している。つまり両社とも、私ども住宅メーカーに求めているのは「本当に住む人のニーズは何ですか?」というニーズ出しだと考えている。

 ◆住まいを通じて、子育ての時代・壮年期・高齢者になってから、住まいについて色んなきめ細かな困りごと、ご要望をハウスメーカーは持っている。特に当社は福祉介護も手掛けてきた経験(子会社に介護事業運営会社「マザアス」)もある。

 ◆当社はこれらのニーズを、トヨタ自動車やパナソニックの技術開発に提供してあげなくてはならない。そうしないと、シーズ(研究開発や新規事業創出を推進していく上で必要となる発明・技術・能力・人材・設備等)が正しい方向に導かれない。

 ◆これらのニーズとシーズが合体した「新しい街づくり」は、不動産開発型の街づくりとは一線を画するのではないかと思うが、最終的な出口は「子育てがうまくできて、若い時から高齢期まで、便利に住める街づくり」だと思う。

 ◆私どもは「地域包括ケアセンター」とか「分譲シニアマンション」というツールで、こういった「新しい街づくり」を実現し、進めていく。

◇─[後記]───────────

 弊紙は、ハウスメーカーや総合不動産会社も取材対象にしています。その経緯は別の機会に記しますが、実はこれらの事業者の中に、明らかに「介護」を強く意識した事業を展開している会社があります。その代表格がミサワホームです。

 同社は千葉県浦安市で、病院の移転に伴う新たな「街づくり」でつくった複合商業施設の中に、地域包括支援センターを入れました。これは行政である浦安市がここを「地域包括ケアシステム構築のための拠点」として認めたことになります。

 本来は、まだ「介護」を必要としないアクティブシニア向けの「街」ですが、仮に「介護」が必要となった際にも十分に対応できる体制がすでにあり、加えて病院も隣接しているため、医療面でも住んでいて安心感が持てます。

 磯貝社長が述べている通り、これは同社がこれまで、多くの病院と長くお付き合いをしてきたからこそ可能となった独自の事業展開なのでしょうが、実は他の総合不動産業者でも、介護が必要となった際の「環境」を強く意識した開発に取り組む事例が増えています。

 これらの取り組みも、弊紙では「他業種からの介護事業への新規参入」と捉え、自社のどのような「強み」を活かして「介護」に参入しようとしているのか──この視点からそれぞれの事例について、ご紹介していきたいと思います。

 今後とも弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆公式ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆ビジネス電子版=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo/blog

(C)2019 日本介護新聞