*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和元年5月15日(水)第17号*****

◆◇◆◆◆─────────────
国内初、高血圧専門オンライン診療開始
─────────────◆◇◇◆◆

 一般社団法人テレメディーズ(谷田部淳一代表理事・東京女子医科大学高血圧・内分泌内科講師)は5月15日、国内初となる、ネットで高血圧治療の継続をサポートする高血圧オンライン診療パッケージ「テレメディーズ」の販売を開始した。

 同日、東京都港区のオムロンヘルスケア東京事業所で記者会見し、公表した。高血圧治療の専門医である谷田部代表=写真=は、高血圧は健康寿命に最も重大な影響を与える危険因子であるにも関わらず、現状で「高血圧」とされる日本人は4300万人もいる等と述べた。
谷田部医師

 このうち、適切に治療して「管理目標」を達成しているのは全体の4分の1に過ぎず、残り約4分の3の3100万人は「そもそも高血圧に気付いていないか、気付いていても放置しているか、治療は受けているのに管理目標が達成できていないかのいずれかだ」と指摘した。

 また、せっかく治療を始めても、経済的な負担や通院時間が取れない等の理由で、治療を中断してしまうケースが多々ある現状にも触れた。その上で「長期間の通院が不要で、オンラインで高血圧の治療が受けられる『テレメディーズ』を開発した」と経緯を説明した。

 具体的には、利用者は専用の血圧計で血圧を測定しスマホにデータを転送して、そのデータが専門の医師の元へネットで届く。医師はそれをパソコンで見ながら、利用者とネット回線でビデオ通話して診療する=写真下、左側のスマホを持つ女性が利用者で、医師が右側のパソコンを通して診断している様子。その後、処方された薬が自宅まで郵送されるというシステム。

 最大の特長は、ネットの利用により全国どこでも利用が可能なこと。仮に、利用者に現在かかり付け医師が近所にいて、その担当医が高血圧の専門医でない場合、「テレメディーズ」の利用システムに担当医が加わり「患者と担当医の間を取り持つことも可能だ」という。

 谷田部代表は、対象と想定される層について40代から50代前半の働き盛りの男性や、子育てや家事・介護等で多忙な女性を挙げ「このように通院する時間がなかなか取れない方々に、ぜひ利用して頂きたい」と呼び掛けている。
オムロンシステム

 同法人では研究開発段階で、高血圧のオンライン診療を行った場合と、従来型の診療を行った場合の比較試験を行い「オンライン診療の方がより有意に改善できた」との結果を得て、東京女子医大病院の倫理委員会の承認を受けている。

 なお「テレメディーズ」は保険診療ではなく自由診療で、料金は税別月額4600円で、この中には薬代も含まれる。詳細については、同法人(電話=03-6869-6938)まで。

◇─[後記]───────────

 介護保険に全く頼らない、民間事業者による介護サービスで、ある大手が実際に行っているサービス内容は「介護保険でやっていることはほとんど全てできる」そうです。そうなると、介護保険で規制されている「混合介護」も、もちろん自由に行えます。

 本日は医療分野のニュースでしたが、いずれ介護業界でも、このようなスキームでネットの効果を最大限に利用した介護サービスを、独自に展開する民間事業者が出てくるのでは……と考えたのが、今回この話題を取り上げた最大の理由です。

 現在は主な対象を「40代から50代前半」に想定しており、直接的には介護サービスの利用者層とは重なりませんが、ほとんどの高齢者が抱える「高血圧」の分野でこのシステムがうまく稼働すれば、やがて対象が高齢者層にまで広がる可能性も十分にあると思います。

 それが現実化することで、介護サービス利用者の選択肢が増えることを、弊紙では歓迎したいと思います。

────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo-b.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001687235.html
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー
・PC/スマートフォン版=http://nippon-kaigo.blog.jp/
・携帯版=http://nippon-kaigo.m.blog.jp/
◎購読申し込み(「まぐまぐ」サイト)=https://www.mag2.com/m/0001677525.html
 ◆公式ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆ビジネス電子版=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo/blog

(C)2019 日本介護新聞