*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****平成31年4月19日(金)第7号*****

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「配食事業の健全な発展」に向け始動
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 高齢者などへの配食事業の健全な発展のため、業界団体が本格的に動き出した。

 配食事業やその関係事業者で組織された、日本栄養支援配食事業協議会(NSD、黒田賢会長)は4月16日、東京都新宿区のTKP市ヶ谷で第2回総会を開催した=写真

NSD総会
 設立2年目を迎えた今年度は2つの分科会=「配食事業のガイドライン」と「特別用途食品」=を設置して、それぞれのテーマに沿って研修を実施し、加盟各社のビジネス環境を整えていく方向性を示した。

 そもそもNSDが昨年設立された契機の一つとして、厚労省が2年前の3月にとりまとめた「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理の在り方検討会」報告書(以下「ガイドライン」がある。

 この「ガイドライン」は、独居の高齢者などに「低栄養」の問題が顕著化してきたことを受け、配食事業の栄養管理の在り方を国として初めて整理したもの。

 また、今後利用の増大が見込まれる配食の選択・活用を通じて、地域高齢者等が適切に自身の栄養管理を行えるよう、新たに事業者向けの「ガイドライン」を作成・公表することで、事業者の自主的取組による地域高齢者等への健康支援を推進することを意図している。

 今回NSDが設置した分科会でも、加盟各社がこの「ガイドライン」について勉強会や議論を積み重ねることで、各社が行政委託を受けやすくなることや、業界の「優良企業」としてビジネスがしやすくなること等を目指す。

 黒田会長は、「NSDでは高齢者などへの適切な食事の提供に加え、食環境の改善も大きな使命だと捉えている。そもそも食事は『楽しむ』ものだ。いくら品質・栄養面を充実させたリーズナブルな食事供給が実現できたとしても毎日、一人家で寂しく食べる食事はQOL(Quality of life=幸せな生活)には結びつかない。最終的には食環境の改善も視野に入れる必要がある」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 弊紙では「高齢者の低栄養」問題に着目しています。その契機になったのは、ある医師から「当病院に介護施設から入院してきた複数の高齢者を調べたところ『低栄養』が原因だった」との話しを聞いたことです。

 常識的に考えれば、介護施設ではキチンとした食事が提供され「低栄養」など起こりえるはずはない、と誰しもが思うでしょうが「事実」だそうです。その後、この「低栄養」が高齢者の心身に及ぼす悪影響について、具体的にいくつか教えてもらいました。

 介護施設の入居者ですら「低栄養」に陥る事例があるのですから、まして独居の高齢者はその可能性がさらに高くなる、と考えました。そのような時に記事中にも紹介した厚労省の検討会を取材し「ガイドライン」を読み、NSDの設立を知りました。

 弊紙が注目しているのは、黒田会長が「食環境の改善」まで見据えていることです。この「共食」の実現に向けたアクションが起きることも期待して、今後もNSDの動きを追っていきたいと思います。

 今後とも弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

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