*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****平成31年4月15日(月)第4号*****

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「特定介護」フィリピンでは「申込殺到」
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 新たな在留資格「特定技能」の介護職(以下「特定介護」)を目指す外国人材の「受験」が本格的に始まった。4月13日(土)14日(日)の両日、フィリピン・マニラで実施されたもので、これが制度全体を通して初の試験となったが「申し込みが殺到した」という。

 受験者は女性82名、男性43名の合計125名。一般マスコミ等の報道によれば、現地フィリピンでは人気が高く、3月20日から専用WEBで申し込み受け付けを開始したところ「定員がすぐに埋まってしまい、多くの受験希望者が申し込みすらできなかった」という。

 受験科目は「介護技能評価試験」(全45問・60分)と「介護日本語評価試験」(全15問・30分)の2科目で、いずれもパソコン上で出題され回答する方式で行った。試験結果は1ヶ月以内を目途にEメールでスコアレポート(合否記載を含む)が送付される。

 現時点で合格基準等は公表されていない。ただ今回の受験生は、仮に「合格」しても、今回の「介護日本語評価試験」とは別に開催される、「国際交流基金日本語能力基礎テスト」に合格するか、日本語能力試験「N4」以上に合格しているか、いずれかの要件を満たさないと「特定介護」で日本に入国することはできない。

 厚労省は当初、フィリピンでの2回目以降の試験について「本年6月に予定している」と述べていたが、第2回(5月25日~27日・265名程度)第3回(6月15日~16日・190名程度)第4回(6月22日~24日・290名程度)までの日程を急きょ公表し、さらに「これ以降も順次、試験実施を予定している」と述べている。フィリピン以外の国における試験日程は、現時点では公表されていない。

 今回実施された「特定介護」の2科目の試験は今後、日本国内でも開催が予定されているが、現時点では「検討中」となっている。日本政府は「特定介護」で働く外国人材について、「今後5年間で最大約6万人を受け入れる見込み」と公表している。

◇─[後記]───────────

 このニュースを聞いて弊紙では、2つの点に「意外性」を感じました。一つは「国外最初の試験実施国がフィリピン」であったこと。もう一つは、そのフィリピンで「受験希望者が殺到した」ということです。

 この「特定介護」の制度ができる前に、介護技能実習制度による外国人材受入れの仕組みが平成29年11月にスタートしました。こちらで日本の介護事業者に、受け入れ先として圧倒的に人気があったのがベトナムで、第2位がミャンマーでした。

 しかし弊紙の取材では、両国とも「制度の日本語要件が厳しすぎる」ことを最大の理由に、現在でも積極的な送り出しには二の足を踏んでいます。
 この両国も含め、平成29年11月に受入れが開始されて以来、約1年3ヶ月が経過した今年2月末時点での介護技能実習生の受入れの認定件数が1501件に止まっています。実際に日本に入国している介護技能実習生の数は、これを下回ります。

 「特定介護」の最初の試験実施国がフィリピンであったのは、介護人材として日本側が強く希望していたベトナムやミャンマーが介護技能実習と同様に、「特定介護」でもまだ「動いていない」ことが大きな理由と推測できます。

 ただ、フィリピンで「受験希望者が殺到した」というのは、理由がよくわかりません。いずれにせよ、介護人材の受入れをフィリピンにのみ頼っている現状では、「特定介護」は介護技能実習制度と同じく「低調で推移する」ことでしょう。

 当然のことながら「今後5年間で最大約6万人」など「絵空事」で終わってしまいます。

 今後ともどうか弊紙をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

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