日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和3年9月15日(水)第585号*****

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田村大臣・3回目のワクチン接種「17日開催予定の有識者会議で議論し、早く結論を出す」
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 新型コロナの新規感染者数が、全国的に減少傾向にある中で、この冬にも襲来が予想される「第6波」に備え、ワクチンの3回目の接種について田村憲久厚生労働大臣は、明後日(9月17日)に開催予定の有識者会議で議題に挙げる予定であることを明らかにした。

 また3回目のワクチン接種で、これまで2回の接種で使用してきたファイザー社製・モデルナ社製とは違う、アストラゼネカ社製を使用すること等を想定した「交差接種」も同様に、明後日の有識者会議で議論される予定であることにも言及した。

9月7日田村大臣記者会見 9月14日の定例記者会見=写真は9月7日の会見の様子。厚労省HPより=で、記者からの質問に答える形で述べた。会見ではさらに「第5波」で、全国的に病床がひっ迫したことを受け、今後予想される「第6波」への備えとして「患者数等をリアルタイムで把握すること」の必要性を記者から問われた。

 これに対しては「現在、専門家に検討して頂いている」等と回答した。これらの点に関する、記者会見での質疑応答の内容は次の通り。

 【3回目ワクチンと交差接種「17日開催予定の有識者会議で議論し、早く結論を出す」】

 ▽記者=新型コロナワクチンの2回目の接種を終えた人が、全人口の50%を超えた。3回目接種について、大臣は先日の記者会見で「厚生科学審議会を早急に開いて、方向性を決める」と発言された。

 これに優先順位をつけるかどうかなど、現時点での将来の検討状況を教えて頂きたい。あわせて交差接種について、対象をどうするかなどの検討状況も教えて頂きたい。

 ▼田村大臣=3回目の接種については、ファイザー社であるとか、モデルナ社の安全性や免疫原性、抗体価の変化などを今、評価するための臨床試験が実施されていると理解している。

 また交差接種については現在、一部の免疫効果であるとか安全性のデータ、こういうものが学術誌に公表されるなどしているので、こういうような研究を、我々もしっかりと分析をしていきたいと思っている。

 いずれにしても、厚生科学審議会、予防接種ワクチン分科会、これを早急に開催しなければならないと思っている。17日を今(有識者会議の開催の)一応日程として考えていて、その中でしっかりと、科学的な観点からご議論頂きたいと思っている。

 結論に関してはなるべく早く、出してまいりたいと思っている。

 【「第6波」への備え「患者数等をリアルタイムで把握すること等は、現在検討中」】

 ▽記者=大臣は(記者会見で、新型コロナの)患者数を「リアルタイムで把握することが難しい」と言われているが、次の波(=「第6波」)に向けて、そういうものを把握していく必要はあるのだと思う。

 今後、そういうものを把握していくような仕組みをつくるとか、そういう検討はされているのか?

 ▼田村大臣=なかなか、リアルタイムで全部、中等症というのを確認できるかというのは、言われるとおりかなり医療関係者に負荷を与えるので、それが本当にできるのか、できるとしたらどれくらいの手間がかかるのか……。

 さらに、どういう影響があるのか、そういうことも分析しなければならないと思う。今、検討いただくという意味では、一つの(緊急事態宣言等の)解除等への参考にするということであれば「どういうものが使えるのか」という話だ。

 それは「推計から出す、という方法がありますよね」ということを、専門家の方々からいろいろとご提案いただいている。

◇─[後記]───────────

 ワクチン担当の河野大臣や厚労省の田村大臣の、これまでの発言内容をみると、どうやら3回目の接種はほぼ、実施されることで決定しそうです。問題は「時期」で、テレビの情報番組に出演している、多くの感染症の専門家は「第6波」の到来を予想しています。

 現在の、新規感染者数の減少傾向をみれば「第5波」は、収束に向かっているように思えますが、全国の介護事業者にとっては、例年のインフルエンザの流行期を控え「気を緩める」ことなく「第6波」への備えも必要になってくると思われます。

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*****令和3年9月14日(火)第584号*****

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科学的介護Life「現場ではまだ、活用法が整理されておらず『伴走型』で運用すべき」
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 より効果的・効率的な介護保険サービスの提供を進めるため、令和3年度の介護報酬改定で「科学的介護情報システム( Long term care Information system For Evidence )」(以下「Life」)が創設され、そのデータベースの運用が今年4月から始まった。

Lifeの活用検討調査 これを踏まえて、今後のLifeの活用に向けた課題の検討を行うための調査=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=を行うが、この内容を検討した有識者から「現場ではまだ、Lifeの活用法が整理されていない。Lifeを使ったから、すぐに(サービスの質等が)良くなるというものではない」

 「現場で、どのように活用できるのか等を『伴走型』で運用していかないと、道具(Life)は用意したが、それが現場で使われないままで終わってしまう可能性もある」等と課題が挙げられた。

 9月10日に開催された介護報酬改定検証・研究委員会で、調査内容の検討にも携わった埼玉県立大学大学院の川越雅弘教授が述べた。川越教授はその一例として、Lifeから得られたデータに対し「リハ職・管理栄養士・ケアマネでは見る視点が違う」等と指摘した。

 同委員会での川越教授の指摘内容は、次の通り。

 Lifeの活用について委員会で議論した際に「Lifeを使ったからすぐに(サービスの質等が)良くなる、というわけではないので、現場と『伴走』しながらLifeを活用していこう」という方針になった。

 例えばケアマネジャーは、Lifeというデータベースを目の前にした時に「自分たちの業務に、どのように活かすのか? 活かすことができるか?」と考えるだろうが、まだ頭の中で整理されていないのが実情だろうと思う。

 Lifeにより「同じ物差し」で測定されたデータが用意されていることは、極めて大事なことだ。しかしそれ以前に、例えば栄養士とリハ職では、同じデータを違う視点で分析し、評価している。

 例えば現場で「(介護サービスの利用者の)食べる行為について、何とかしてあげよう」と考えても、リハ職と栄養士、またケアマネジャーでは見る視点が違う。この「お互い、見ているところが違う」ことが、意外と現場では確認されていない。

 つまり、介護の現場はまだ分業の世界で、本当に「利用者のために何をするか」と「そのために何が必要か」をそれぞれが確認して、そこからそれぞれの「思考」に落としていかないと、このようなデータが集まっても「使いこなせない」ことになりかねない。

 つまり、キチンと「データが整備される方向」と、それらのデータを活用していくという「やり方の方向」と、両方をセットで整理をしていかないと「道具(Life)は用意したが、それが使われないままで終わってしまう」ことになりかねない。

 結果的に、現場の仕事の負担が増える可能性が十分に考えられる。このため今回は「伴走型」で「こういったデータを、利用者のためにどう活用しようか?」という視点で調査を行う。コーチングをしながら、活用の仕方を一緒に学んでいく必要がある。

 これらは委員会で、委員の先生方から出てきた意見であり、実際に私もそう思っている。

◇─[後記]───────────

 川越教授の指摘は、介護業界とは関係のない方からすれば「当たり前」と思われるかも知れませんが、弊紙では以前から「Lifeを活用するためには、最も重要な指摘」だと考えていました。

 このLifeを実際に運用しようとすれば、現場ではかなりの負担増が予想されます。今回の調査で様々な課題を浮き彫りにし、全国の多くの事業者が「使いこなせる」システムに進化するよう、厚労省をはじめとした関係者にはぜひ「伴走」して頂きたいと思います。

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*****令和3年9月13日(月)第583号*****

◆◇◆◆◆─────────────
高齢者のワクチン3回目接種「抗体価を測定し、接種必要者を早く見極める必要がある」
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 新型コロナワクチンで、3回目の接種が話題となっているが、わが国の免疫学の第一人者で、大阪大学の宮坂昌之名誉教授は「高齢者や持病があり免疫力が低い人は、抗体価を測定することにより、3回目接種が必要な人を早く見極める必要がある」等と指摘した。

 9月9日に開催された、東京都の新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)に宮坂氏はWEBで参加し、意見を述べた。宮坂氏は「ワクチンを『打たない』という選択肢はない」との立場から、都専門家会議で次の4点を主張し、その根拠を説明した。

 ■1.高齢者や、持病があり免疫力が低い人の3回目の接種の必要性については、抗体価を測定することにより、接種の必要者を早く同定する(見極める)必要がある。

 ■2.その他の人たちでは、抗体価が下がっていても新型コロナに対する免疫能力はかなり維持されていると思われる。このため、3回目の接種を広く行うよりも、未接種者をできるだけ減らすとともに、2回接種者をできるだけ多くすることが必要であろう。

 ■3.交差(混合)接種は、広げるべきだ。

 ■4.3回目以降の接種は、免疫の原理から考えると、接種量を減らしても大丈夫なはずだ。ただし、小規模でいいから臨床試験が必要だ。

 【65歳以上はワクチンを接種しても抗体がうまくつくれないが、個人差が大きい」】

大阪大学・宮坂教授の指摘 この中の「1」について宮坂氏は、ワクチンを接種した人の抗体量を調査した結果として「65歳以下ではおおむね良く抗体を作るが、70歳を過ぎると抗体産生量が下がる傾向があり、85歳以上では抗体産生量がきわめて低い人がいる」=画像・東京都HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工。

 「ただし、個人差が大きいことに注意。つまり65歳以上は(ワクチンを接種しても)抗体に個人差があるために、3回目の接種が必要な高齢者を、抗体量を測定することで見極める必要があり、リスクがある世代であることは間違いない」等と指摘した。

 【諸外国の研究事例から「交差接種は、極めて有効だ」】

 また「3」の交差接種について宮坂氏は、諸外国の研究事例として、アストラゼネカ社製ワクチン(以下「アストラ」)を2回連続で接種した場合と、2回目をモデルナ社製ワクチン(以下「モデルナ」)で接種した場合の、抗体量を比べた研究事例を取り上げた。

 ここでは「アストラ+アストラ」よりも「アストラ+モデルナ」の方が強い免疫が誘導され「85%の人で、変異株でも中和できる抗体が産生がみられた」等と紹介し「交差(混合)接種は広げるべきだ」と主張した。

 【ワクチン接種から時間が経過し「抗体価は下がっているが、免疫は維持されている】

 さらに「2」について、ワクチンを接種して時間が経過することで「抗体価が下がる」と言われている点について、宮坂氏は「われわれは抗体以外にも、コロナに対する免疫を発揮するしくみ(=細胞免疫)がある」

 「これは今回、測定していないので『抗体価が下がっている』というのは少し心配なデータではあるものの、細胞免疫はずっと何ヶ月も体内に残るので、私は抗体価が下がっている人でも、コロナに対する免疫は強く維持されていると考えている」と指摘した。

 これを踏まえ「3回目の接種を行うことは一つのアイデアだが、3回目が必要な人たちを同定する(見極める)必要がある。しかし、私がそれよりも重要だと考えるのは『未接種者の数を、できるだけ減らすこと』だ」

 「特に2回の接種者をできるだけ多くすることができれば、ウイルスを飛ばす人の数を減らすことができるので、ブレイクスルー感染(ワクチンを接種したにも関わらず、新型コロナに感染すること)も起こりにくくなる」

 「つまり(この考え方に立てば)交差接種は進めるべきである」と指摘した。

 【3回目接種でモデルナ社は、ワクチン量が1回目・2回目の「半量」で認可を申請】

 「4」については、宮坂氏は「免疫の原理から考えると、ブースター接種(追加接種)は(1回目や2回目と比較して)接種量を減らしても大丈夫だ。これについては、モデルナ社が一部でデータを公表している」

 「『全量』の代わりに『半量』、あるいは『1/4量』にまで減らしてワクチンを打っても『ブースターの効果は、同じである』と言っている。これを踏まえてモデルナ社は、3回目の接種を『半量で行う』ことで、諸外国で認可を求めている」

 「これを踏まえ、日本でブースターを実施する際は、小規模でも良いから臨床試験を行うべきだと考えている」等と主張した。

◇─[後記]───────────

 宮坂名誉教授は、わが国の免疫学の第一人者であるにも関わらず「当面は、ワクチンは打たない」と公言したことで注目されました。その後、コロナワクチンが「従来ワクチンとほぼ同じレベルの副反応であることが分かった」と述べました。

 そして今では「打たないという選択肢は、ない」との立場から、ワクチン接種を積極的に推進しています。その道の第一人者でさえ、このように考え方が変わるほど、やはり新型コロナワクチンの取り扱いは難しい点があるのも事実だと思います。

 しかし現在は、様々な専門家の意見をみても、宮坂名誉教授の主張通り「3回目の接種の推進より、まずは2回の接種を十分に広げることが重要」であり、結果的にこれが「高齢者を新型コロナの感染から守る」ことにつながりそうです。

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コロナワクチンの交差接種「選択肢には入るが一時的な措置で、わが国での検証が必要」
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 新型コロナのワクチン接種が進む中で、3回目の接種を見据えて、それまでとは異なる種類のワクチンを接種する「交差接種」(=併用接種)について、わが国のワクチン専門家の組織である日本ワクチン学会は「選択肢に入れることを提案する」等と表明した。

 同学会が9月9日に公表した「新型コロナウイルスに対するワクチンに関連した日本ワクチン学会の見解」の中で、指摘した。この見解では新型コロナワクチンで、現在議論の的となっている次の3点について、学会としての見解を明らかにしたもの。

 ■1.異なる種類のワクチンの併用接種について
 ■2.ワクチンの3回目の接種について
 ■3.ワクチンへの異物混入について

 【併用接種は「選択肢には入るが一時的な措置で、検証が必要」】

 この見解で「1」の併用接種は、政府が導入を前提に検討が進んでいることについて「現在、ワクチンの需要が供給を上回ることがあり、異物混入による予定変更などの問題が重なって、希望者全員に接種されていない場合がある」と、現状の問題点を指摘した。

 その上で「今後ワクチンの供給不足により、接種の遅滞が生じた場合には、現状の新型コロナウイルス感染症流行が災害級の非常事態であるとの見地から、異なる種類のワクチンの併用接種も選択肢に入れことを提案する」と主張した。

 また「異なる種類のワクチンの併用接種は、わが国においても日本脳炎ワクチンやポリオワクチンなどにおいて経験されている」としつつも、新型コロナワクチンの併用接種については、あくまで「海外の知見で、数百例規模の研究成果である」

 「つまり、数万例規模の治験の結果に基づいたものではない。仮に、わが国でこの併用接種を行うのであれば『希望者に接種が行き届くまでの一時的な措置』と位置付けるべきである」

日本ワクチン学会の見解 「同時に、並行してわが国における臨床研究として、たとえ少数例であっても、その有効性と安全性の検証を行うことが不可欠と考える」=画像・日本ワクチン学会HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=と、実際の運用については留意も促してる。

 【3回目のワクチン接種は「2回接種を、希望者全員に実施することが第一義だ」】

 現在、わが国で特例承認されている3種類のワクチン(ファイザー社製・モデルナ社製・アストラゼネカ社製)の接種回数は、いずれも「2回」と定められており、その回数を超える接種方法(=3回目の接種)については、国内では検証されていない。

 この点を踏まえて「2」の3回目接種について、同学会では「抗体価を高める、感染防御のための免疫力をより強く長く維持することを目的とする、優れた接種方法の検討は、今後進められていくべきと思われる」

 「しかしながら、国民に広く接種が行き渡っていない現状では、まずは同一のワクチンを用いて、2回の接種を対象となる希望者全員に対して、可及的速やかに実施することが第一義と考える」

 「ワクチンの供給が停滞し、同一のワクチンによる接種が進まないような事態になるならば、ワクチンの併用接種も検討されるべきと考える」と指摘している。

 【異物混入は「全身的な症状を起こす可能性は低いが、死亡事例等は早期に公開を」】

 「3」の異物混入については、厚労省では「問題ない」との見解を出しているが、同学会でも「異物が金属であった場合、ステンレススチールの微小片が接種されたとしても、小さな肉芽腫となって、全身的な症状を起こす可能性は低いと考えられる」

 「また、一般的に金属によるアレルギーは遅延型の反応であり、ワクチン接種直後に認められるアナフィラキシーの原因となる可能性は低いと考えられる」と述べている。ただし「異物が混入したワクチンが接種されることは、あってはならないことだ」

 「本学会としては、大変残念な事案であると受け止めている。ワクチン接種後の死亡事例に関しては、剖検の結果なども含めて、厚生労働省から因果関係の検討に関する詳細を、早期に公開していただきたい」等と要望している。

◇─[後記]───────────

 新型コロナワクチンを巡って、国民が最も関心を持つ3つの話題について、ワクチンの専門家組織が見解を出しましたが「3回目の接種」と「併用接種」の2点は現在、海外の研究結果等が報じられているのみで、国内での検証は行われていません。

 この2点は、実施されるとすれば、厚労省の有識者会議の議論を経ることになります。また実際に行われる時は、65歳以上の高齢者が優先されると思われます。全国的に、新規感染者数が減少傾向にある今こそ、政府にはこの2点の議論を進めてもらいたいものです。

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「ワクチン接種で高齢者は7・8月で推定8千人以上を死亡抑制した可能性がある」
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 国内でワクチン接種が進んだ7月と8月で「推定8千人以上の、高齢者の死亡を抑制した可能性がある」と、その効果を示す分析結果が報告された。9月8日に開催された、厚労省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で指摘された。

 【「7月と8月で、推定8千人以上の高齢者の死亡を抑制した可能性がある」】

ワクチン効果による死亡抑制効果 同会議では「新型コロナ感染症に対するワクチン等の効果の推定」が示された。これによると、各月の「推定死者数」から「死亡者実数」を差し引いた数=「推定との差」は、次のようになり、7月=1,623人と、8月=6,819人を足すと、合計で8,442人となった=表・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ▼7月=1,623人=「推定死亡者数1,768人」-「死亡者実数145人」
 ▼8月=6,819人=「推定死亡者数7,544人」-「死亡者実数725人」

 【「7月と8月で、推定10万人以上の高齢者の感染を抑制した可能性がある」】

 同様に同会議は「高齢者の、ワクチン接種等が進まなかった場合の推定モデル」も示した。こちらも同様に65歳以上の高齢者について、7月と8月の各月の感染者「推定モデル」から「感染者の実数」を差し引いた数=「推定との差」は10万7,767人となった。

 ▽7月=2万1,099人=「推定モデル2万7,052人」-「感染者の実数5,953人」
 ▽8月=8万6,668人=「推定モデル11万0,778人」-「感染者の実数2万4,110人」

 【「ワクチン効果で、高齢者を中心とした感染者・死亡者数の増加抑制が期待される」】

 これらの分析結果について、同会議は「今回は、HER-SYSデータを用いてワクチン接種等がなかった場合の推定モデルを作成し、新型コロナ感染陽性者数と死亡者数が、同推定モデルと比較してどの程度抑制されたかを試算した」

 「8月末までに、65歳以上の高齢者の9割近くが2回のワクチン接種を完了しており、ワクチンの効果として、高齢者を中心とした感染者数・死亡者数の増加抑制が期待される」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 新型コロナに感染した場合の、重症化防止や感染抑制に、ワクチン接種が効果があることはこれまでも証明されてきましたが、一方で「接種から一定期間が過ぎると、抗体の数が減少する」との研究結果も複数、発表されています。

 今回の分析結果通り、ワクチン接種が高齢者の「死亡抑制」「感染抑制」に効果が発揮されているのであれば、厚労省には早急に「3回目の接種」の必要性とその具体的な時期について、施策を示してもらいたいと思います。

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