日本介護新聞ビジネス版バックナンバー

 「日本介護新聞」は、平成28年12月1日に「まぐまぐ」より配信を開始し、専門的なニュースも一般の方向けに可能な限りわかりやすく解説して参りました。一方で読者の中には介護事業者も多数おられるため、平成31年4月8日より「ビジネス版」を創刊することにいたしました。ここではバックナンバーを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。もしよろしければ、下記のサイト(=「まぐまぐ」日本介護新聞ビジネス版)から、購読のご登録を頂ければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。https://www.mag2.com/m/0001687235.html

**「最適な介護」を実現するための情報紙***
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*****令和4年4月22日(金)第730号*****

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ワクチン効果・3回接種者は2回接種者と比べ「新規発生割合1/3、重症化割合1/4」
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ワクチン接種効果・東京都モニタリング会議 新型コロナのワクチン接種を、1回・2回・3回と重ねるごとに、新規陽性者の発生割合と重症化患者発生割合が、共に低下することが明らかになった。4月21日に開催された東京都新型コロナ感染症モニタリング会議(都専門家会議)で、都がデータを公表した=グラフ・東京都HPより。黄色と緑色のラインマーカーは、弊紙による加工

 都の発表によると、ワクチン接種歴別の新規陽性者の発生割合(以下「新規発生割合」)と、重症患者の発生割合(以下「重症化割合」)について、それぞれ3回接種者を「1」とした場合、未接種者・1回接種者・2回接種者の値が次のようになった。

 ■【新規発生割合=3回接種者は、2回接種者と比べて約1/3の割合】
 ▼3回接種者=1
 ▽2回接種者=3.5
 ▽1回接種者=4.6
 ▽未接種者=5.0

 ■【重症化割合=3回接種者は、2回接種者と比べて約1/4の割合】
 ▼3回接種者=1
 ▽2回接種者=4.4
 ▽未接種者=8.5

 これらのデータは、4月21日時点の情報に基づいてとりまとめた。このうち「新規発生割合」は3月1日から4月18日まで、1週ごとの各期間における新規陽性者(報告日)について、不明を含むワクチン接種歴の有無で分けて集計したもの。

 「重症化割合」は、3月1日以降に発症した新規陽性者のうち、4月18日までに重症化した患者(人工呼吸器またはECMOを使用している患者)について、不明を含むワクチン接種歴の有無で分けて4月12日時点で集計し、都内の人口で除して算出したもの。

 この結果について、都では「3回目のワクチン接種の効果は、今回のデータからも読み取ることができる。また、ワクチン接種による重症化の予防と死亡率低下の効果は、オミクロン株に対しても期待できる」

 「さらに、ワクチン接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告があり、幅広い世代に対して3回目のワクチン追加接種を強力に推進する必要がある。都としては、今後も3回目のワクチン接種を推進していく」等と述べている。

◇─[後記]───────────

 これは東京都に限らず、全国的に共通していることだと思いますが、どうやら若年層ではワクチン接種に対して、消極的なマインドが見受けられるようです。その理由は「副反応の強さ」等、いくつかの理由が各種の調査で指摘されています。

 一方で都専門家会議は、都内の入院患者の年代別割合で「60代以上が約 70%と、高齢者の入院患者数およびその割合が、いまだ高い値のまま推移しており、医療機関では多くの人手を要している」等と、高齢者のコロナ感染による入院に警戒を呼びかけています。

 家族や、身近にいる高齢者を新型コロナに感染させないためにも、さらに自らの身を守るためにも、政府や自治体には今以上に、若年層へ強くワクチン接種を呼びかけ続けてもらいたいと思います。

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*****令和4年4月21日(木)第729号*****

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介護人材不足の現状「ハラスメント経験率6割以上・就職マイナスイメージ調査第1位」
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 慢性的な介護人材不足が叫ばれている中、介護業界内から実情を訴えるデータが示された。4月18日に開催された、内閣府の規制改革推進会議(医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ)第6回会合で、全国介護付きホーム協会(介ホ協)が資料を提出した。

 そもそも当日の会議では「介護分野における、ローカルルール等による手続負担の軽減についてのヒアリング」が主たる議題だったが、関連する事項として「介護分野の文書負担軽減に関する簡素化・標準化・ICT等の活用」も議論の対象となった。

介護付きホーム協会・介護業界の現状 会議には、介護業界団体から介ホ協と日本在宅介護協会(在宅協)が出席し、意見を述べた。この中で介ホ協は「文書負担軽減の必要性」を説明する中で、現状の介護業界の課題として「介護人材不足」を挙げ、次のデータ=画像・内閣府HPより。緑色と黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=を示して「業界の窮状」を訴えた。

 ■低処遇=平均給与・年収351.6万円・月額29.3万円=全産業平均は年収422.4万円・月額35.2万円

 ■厳しい職場環境=ハラスメント経験率・特養70%以上・介護付きホーム(=特定施設)60%以上

 ■不人気=就職人気ランキングの「マイナスイメージ調査」で、40業種中第1位

 ■人材難=有効求人倍率3.86倍=全業種では1.01倍

 これらを元に介ホ協は「今後は少子高齢化で介護需要が高まる一方で、生産年齢人口が減少し、介護人材不足はますます深刻化する」「さらに現在は、コロナ対策で介護現場の業務量は増大しており、介護事業者には文書負担が重くのしかかっている」等と指摘した。

 これらの課題を解決するため、介ホ協では「行政文書のローカルルールを解消し、電子申請化とペーパレス化を進めて欲しい」等と要望した。また在宅協も「訪問介護でサービス提供責任者が変更となる場合」等の具体的事例を挙げ、介ホ協と同様の要望を述べた。

◇─[後記]───────────

 介ホ協が「介護人材不足の現状」を述べた主たる目的は「文書負担の軽減」でしたが、はからずも文字通り「介護業界の窮状」を、政府(内閣府)に訴えた形となりました。また会議では厚労省も「文書負担の軽減」に現在、取り組んでいる資料を提出しました。

 ただこの「介護業界の窮状」は、今回の「文書負担の軽減」をはじめ、例えば「介護職員の処遇改善」等、あらゆる角度から検証して、その課題を解決していく必要があります。時間はかかると思いますが、一つずつ確実に、改善してもらいたいと思います。

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*****令和4年4月20日(水)第728号*****

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コロナワクチン4回目接種の実施・後藤大臣「自治体の意見を丁寧に伺いつつ、対応する」
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 新型コロナワクチンの4回目接種の実施について、政府・与党の自民党は「高齢者や、基礎疾患のあるリスクの高い人を対象に接種を進めるべき」との方針を示しているが、この点を問われた後藤茂之厚生労働大臣は「引き続き、検討する」として明言を避けた。

後藤大臣3月29日記者会見 4月19日の定例記者会見=写真は3月29日の記者会見の様子。厚労省HPより=で述べた。また会見では、3回目接種の実施に当たった市区町村等が、優先接種の対象となった「基礎疾患を有する人」等の特定に苦慮した点や、政府による接種間隔の「方針転換」等で自治体が混乱した点に対する対応が問われた。

 これに関して後藤大臣は「4回目接種を『実施する』となった場合には、接種券の送付事務等が円滑に行われるように、自治体の意見を丁寧に伺いつつ対応することになる」等と述べ「一方的な通告」ではなく、自治体の意見を尊重する方針を示した。

 これらの件に関する、当日の記者会見の内容は次の通り。

 【「4回目接種は専門家のご意見も踏まえつつ諸外国の対応状況を注視して検討する」】

 ▽記者=ワクチン4回目接種に対する考え方について、お伺いしたい。先日の自民党のワクチンPT(プロジェクトチーム)では「高齢者や基礎疾患のある、リスクの高い人を対象に接種を進めるべき」との提言案が示された。

 現時点で、医療従事者を対象にすべきかどうかのお考えについて教えて頂きたい。

 ▼後藤大臣=まず、ご指摘の自民党の提言案については、まだ正式に決定されたということではないと聞いており、コメントは差し控えたいと思う。(厚労省では)3月24日の審議会(=有識者会議)で、新型コロナワクチンの4回目接種について議論した。

 4回目接種の特例臨時接種としての実施に向けて、3回目接種を受けた全ての住民に接種機会を提供することを想定し、自治体が準備を開始することについては「適当」とするご意見を(会議に出席した委員から)頂いた。

 ただし委員からは「有効性・安全性の議論も、十分に行うべき」とか「4回目は、よりハイリスクの方が対象になるのではないか」といったご意見も出された。4回目接種の実施については、様々な課題がある。

 接種を行うか否か、仮に4回目接種を行う場合の対象者や、3回目接種からの適切な接種間隔については、ワクチンの有効性・安全性、効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえて「引き続き、検討することが適当」とされている。

 引き続き、専門家のご意見も踏まえつつ、最新の科学的知見や諸外国の対応状況を注視しながら、4回目接種を行うか否か、仮に接種を行う場合の対象者等について、今後また検討を進めてまいりたいと思っている。

 【「4回目接種を実施する場合には、自治体の意見をていねいに伺いつつ対応する」】

 ▽記者=4回目のワクチン接種について、大臣は先ほど「自民党の作業チームの提言についての回答を差し控える」とのことだったが、この提言案の中では「高齢者や基礎疾患がある人を対象に進めるべきだ」との指摘があった。

 接種のあり方について、どうお考えなのか? また、この接種券を配布するにあたって、国や自治体が「基礎疾患のある人を特定することは困難」と指摘していたと思うが、4回目の接種券の配布はどのように進めるべきとお考えか?

 ▼後藤大臣=4回目接種については、接種を行うか否か、仮に4回目接種を行うとした場合にその対象者や、3回目接種からの接種間隔をどの程度空けるかについては、ワクチンの有効性・安全性、効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえる必要がある。

 「引き続き検討する」という審議会の提言を踏まえて、今後、専門家のご意見も踏まえつつ検討を進めていく。4回目接種を「実施する」となった場合には、接種券の送付事務等が円滑に行われるように、自治体の意見を丁寧に伺いつつ対応することになる。

◇─[後記]───────────

 このところ、後藤大臣の記者会見で、マスコミが「4回目接種の実施」についてほぼ毎回、質問を投げかけていますが、後藤大臣は「引き続き、検討を進める」との回答に止まっています。

 記者がこの質問を繰り返す背景には「今後『第7波』が急速に進んだ場合」を想定しているものと思われます。3回目のワクチン接種でも、実際に接種の実務に当たる市区町村や都道府県では、接種間隔等の政府の方針転換の影響で「大きな混乱」が生じました。

 現在は、例えば東京都の新規感染者数が前週比を下回る日が続いており「このまま感染が収束して『第7波』は来ないのではないか?」とも受け取れる状況が続いていますが、急に「第7波」が到来すれば3回目の時の「大きな混乱」の二の舞いになりかねません。

 政府にはぜひ、早期に「4回目接種の方針」を決定してもらいたいと思います。

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*****令和4年4月19日(火)第727号*****

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新型コロナ「第6波」重症化率・致死率、全年代でワクチン接種回数が多いほど低い値に
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 新型コロナ感染拡大の「第6波」(=オミクロン株が感染の主体となり、例えば東京都では「今年2月に新規陽性者数の7日間平均がピークを迎えた波」と定義)の感染者で、年代別に重症化率・致死率を調べたところ、全ての年代でワクチン接種の効果が証明された。

第6波の重症化率・致死率 4月13日に開催された、厚生労働省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード(厚労省専門家会議)で、事務局(=厚労省)が提出した資料=表・厚労省HPより。表中のラインマーカーは、弊紙による加工=で明らかになった。厚労省は、石川・茨城・広島県のデータを使用して、重症化率・致死率を算出した。

 調査は、今年1月1日~2月28日の期間に、3県の新型コロナウイルス感染者11万9,109人を対象とした。ここから年齢階級別・ワクチン接種歴別に、重症化率と致死率を「暫定版」として発表した。

 これによると、全ての年代でワクチン接種の回数が多いほど、重症化率・致死率ともに割合が低くなる(=ワクチン接種の効果があらわれる)結果となった。例えば、70代では次のような結果となった。

 ■70代の、ワクチン接種回数別の重症化率・致死率

 ▼ワクチン3回接種=重症化率0.95%、致死率0.63%
 ▽ワクチン2回・1回接種=重症化率1.94%、致死率1.14%
 ▽ワクチン接種なし=重症化率3.83%、致死率2.00%

 また今回の調査では、感染者数は40代以下が圧倒的に多く、50代以降はその数が減少しているにも関わらず、これに反比例して、重症者・死亡者ともに60代から急激に増加し、80代が最も多くなっている。

 これに伴い、年代が上がるほど(=高齢者になるほど)重症化率・致死率ともに上昇する傾向が顕著になっている。

◇─[後記]───────────

 今回の調査では、残念ながら「感染率」までは示されませんでした。元々、コロナワクチンは「重症化防止に効果がある」と言われてきたため、本来の役割は「十分に、ある」ことが証明されたと言えると思います。

 しかし現在、若い年代を中心に「3回目接種率の低迷」が指摘されています。今回の調査では「感染予防効果」までは証明されませんでしたが、それでも「一定程度の効果は、ある」ことは推察されます。

 身の回りにいる高齢者に感染させないためにも、また自身の健康のためにも、やはり若年層の方々には3回目の接種を積極的に受けて頂きたいですし、政府には高齢者に対する4回目接種の効果を、諸外国等の結果を調査して、早期に発表してもらいたいと思います。

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新型コロナ「第7波」の対策・後藤大臣「65歳以上の高齢者に、ある程度重点化していく」
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 新型コロナの感染状況で、厚労省の専門家会議では「一部の地方都市では、感染が拡大している」との認識を示している。これにより「第7波」の到来も懸念されるが、その対策として後藤茂之厚生労働大臣は「高齢者へ重点化していく」との方針を示した。

3月29日後藤大臣記者会見 4月15日の定例記者会見=写真は3月29日の記者会見の様子。厚労省HPより=で、記者からの質問に応える形で述べた。この会見で記者から「第7波」への認識と対応を問われた後藤大臣は「高齢者等の重症化リスクに対する、対策の重点化・迅速化が重要だ」等と指摘した。

 具体的には「保健所による健康観察について、65歳以上の高齢者にある程度重点化していく」「積極的疫学調査について、高齢者施設等のハイリスク施設等に重点化する」「ハイリスク施設での頻回な検査の実施と、高齢者施設における医療提供体制の強化」を挙げた。

 さらに「こうしたことに具体的に取り組んでおり、再び感染が再拡大する可能性も懸念される中で、政府として引き続き『最大限の警戒』を保ちながら、保健医療提供体制をしっかりと稼働していくように対応していく」等と強調した。

 これらの点に関する、記者会見の内容は次の通り。

 ▽記者=新型コロナウイルス対策について。先日のADB(アドバイザリーボード=厚労省専門家会議)で、全国の感染状況について「一部の地方都市では、感染が拡大している」との認識が示された。

 知事の中には「もう、第7波に入った」との認識を示すような方もいらっしゃるが、大臣の現在のご認識はいかがか?

 ▼後藤大臣=現在の感染状況については、大都市部では感染レベルは高いものの、増加速度は比較的緩やかな傾向である一方で、一部の地方都市では急速に感染が拡大していて、今後の動向を特に注視する必要がある。

 これはアドバイザリーボードでも指摘されていることだ。また、感染者数増加の要因としては「接触機会の増加や、BA.2系統への置き換わりというようなことが考えられる」と評価・分析されている。

 感染力がより強いとされるBA.2系統への置き換わりをはじめ、今後の動向に注視していく必要があると思っている。

 【「保健所による健康観察について、65歳以上の高齢者に、ある程度重点化していく」】

 オミクロン株については、重症化率は低いものの、高齢者等への感染が急速に拡大した場合には、重症者数が増加することが懸念されることはご理解を頂いているが、高齢者等の重症化リスクに対する、対策の重点化・迅速化も重要だ。

 現在、厚労省は各県と一体となって取り組んでいる。具体的には、「全体像」で整備してきた保健医療提供体制をしっかり稼働させることだが、特にオミクロン株の特徴に対応するために、3回目接種をより急ぐこと。

 さらに、保健所による健康観察について、65歳以上の高齢者にある程度重点化していくこと、積極的疫学調査についても高齢者施設等のハイリスク施設等に重点化すること、ハイリスク施設での頻回な検査の実施、高齢者施設における医療提供体制の強化──。

 こうしたことに具体的に今、取り組んでいるところだ。再び感染が再拡大する可能性も懸念される中で、政府として引き続き「最大限の警戒」を保ちながら、保健医療提供体制をしっかりと稼働していくように対応していく。

 また「全体像」の枠組みをより重点化、また迅速に見直すことによって、今後とも果断に対応していきたいと思っている。

◇─[後記]───────────

 東京都の新規感染者数は、このところ前週比を下回っていますが、これで「感染が収束に向かっている」とはまだ、言い難い状況です。できれば「第7波は来ない」ことを祈りますが、それでも介護現場では「必ず来る」との想定で、対応策を講じる必要があります。

 そのような中で、後藤大臣が示した「65歳以上の高齢者に、ある程度重点化していく」との方針は、評価できると思います。後は、これがキチンと介護現場で実践されるよう、厚労省には全国の自治体との連携体制を強化してもらいたいと思います。

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