*「最適な介護」を実現するための情報紙*
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*****令和元年10月15日(火)第120号*****
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介護技能実習1号・評価試験、7月末時点の合格者233人
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技能実習の介護職(以下「介護実習」)で、外国人材を受け入れた場合、最初の1年目(技能実習1号)終了までに「評価試験」を受け、これに合格しないと2・3年目(技能実習2号)に進めないが、この「評価試験」の合格者が今年7月末時点で233人だった。
「介護実習」の「評価試験」は、最初の受験者が今年3月の4人で、以後は徐々に増え始めて7月末で236人が受験。232人が合格して4人が不合格。不合格者のうち1人は4月に受験して、翌月に再試験を受けて合格したので、7月末時点の合格者は233人となる。
試験の実施主体である一般社団法人シルバーサービス振興会が公表した=表。試験の試験官は「評価者」と呼ばれ、同振興会が運営主体となっている「介護プロフェッショナル・キャリア段位制度」の評価者(アセッサー)が、「評価試験養成講習」を修了して資格を得る。
同振興会では、介護実習生が「評価試験」を受ける際に、実習開始6~7か月目に受験申請して、実習開始8~9月目に受験することを「推奨」している。この「推奨」期間を過ぎて申請書を提出した場合は「受検できないことがある」と、注意を促している。
また受験してから合否の通知を受けるまで2~3週間程度かかるため、仮に不合格であった場合はすぐに、翌月の再受験の準備をしなければならない。まだ来日してそれほど経験を積んでいない時期での受験となり、介護実習生の受け入れ事業者には「大きな壁」となる。
さらに、「介護プロフェッショナル・キャリア段位制度」では、アセッサー自らが勤務する事業所の職員を「評価」するが、「介護技能実習評価試験」では、介護実習生が所属する法人とは別法人に勤務するアセッサーに、評価してもらうことが義務づけられている。
アセッサーと実習実施者とのマッチングはシルバーサービス振興会で行い、決定したアセッサーと実習実施者との間で試験の日程調整を行う。今年8月27日時点で、「評価者」の資格を有するアセッサーは全国で998人いるが、地域によってバラツキがある。
都道府県別で最も多く「評価者」がいるのが東京で108人なのに対し、最も少ない山形・島根は2人しかいない。この2県を含め、「評価者がひとケタ」が12県もある。同振興会では「評価試験の受験者は現在、毎月100人前後おり、さらに増えている」という。
このため「評価者」が少ない県では、介護実習生が「評価試験」を受験しようとしても「評価者が確保できず、受験ができない」というリスクが生じる可能性もある。この点について同振興会では「様々な手段を講じて、評価者の数を増やしていく」と述べている。
同振興会によると、「介護プロフェッショナル・キャリア段位制度」の「アセッサー」は今年2月1日現在で2万2758人おり、このうち998人が、介護技能実習の「試験評価者」として登録されている。
◇─[後記]───────────
弊紙が厚労省に確認したところ、今年6月末時点での介護実習生の「認定」数は3150人です(弊紙「ビジネス版」8月27日号参照)。その多くは今年に入ってから来日したと思われます。そこから推測すると、現時点での「試験評価者」998名は少ない気がします。
取材に応じてくれたある事業者は「今年の初めに受け入れた介護実習生の評価試験準備に追われ、かなり慌てた」と述べていますが、やはり「評価試験」の制度全体の周知がまだ十分ではないように思われます。
弊紙も介護職の外国人材に関する情報を日々追いかけていますが、この問題は先日、この事業者から初めて教えてもらいました。また「キャリア段位制度」のように、アセッサーを「自前で養成して調達する」ことができないこともわかりました。
特定技能の介護職の受け入れが予定通りには進んでいない中、当面は介護職の外国人材受入れでは、この介護実習制度が主になると思われます。せっかく介護実習生を受け入れた事業者にとって思わぬ「落とし穴」とならぬよう、十分に周知してもらいたいものです。
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